スタジオ帰りの帰り道で、誰かがぽつりと言う。「うちら、そろそろ事務所とか、考えたほうがいいのかな」。でも、いざ調べても、どこにどう声をかけるのか、契約でメンバー全員がどう関わるのか、はっきり書いてある情報は少ない。この記事は、バンドが所属先を見つけて契約するまでを、段階ごとに、なぜそれをやるのかとセットで案内するロードマップです。動員が少なくても、地方でも、順番さえ間違えなければ道はあります。
手順に入る前に、目的を握っておきましょう。目的が曖昧なまま所属だけを目指すと、入ってから「思っていたのと違う」になりがちです。バンドが事務所に入って得られるのは、おおむね次の4つです。
逆に言えば、これらが今すぐ必要でないなら、急いで入らないのも正解です。事務所そのものの役割は音楽事務所とは?役割・仕組み・入り方で基礎から解説しています。目的が定まったら、順番に進めましょう。
なぜ:事務所は「これから何ができるバンドか」を、短時間で判断したいからです。だらだらした説明より、聴けば分かる音源と、活動がひと目で伝わるページのほうが強い。
具体アクション:
ここで完璧を目指す必要はありません。デモ音源の考え方はデモ音源の作り方と送り方にまとめています。60点で用意して、次に進むのが正解です。
なぜ:ルートによって、相手に届く確率も、その後の相性も変わるからです。今は大きく3つの入口があります。
| ルート | やり方 | 向いているバンド |
|---|---|---|
| オーディション応募 | 募集に音源を送る | 実績を武器にできる/数を打ちたい |
| 公式窓口へ直接相談 | 事務所の問い合わせから連絡 | 特定の事務所と組みたい・相性重視 |
| SNSきっかけ | 発信を続けて声がかかる/DM | ネット発で伸ばしているバンド |
近年はSNS経由の出会いも増えました。DMやオーディションの実際はSNS時代の音楽事務所の探し方で触れています。ただし声がかかったときこそ冷静に。怪しい勧誘の見分け方は事務所スカウトは本物?を必ず読んでください。オーディションで落ちる人との差はオーディションに受かる人の共通点にまとめています。
なぜ:事務所は「今うまいか」より「一緒に伸ばせるか」を見ているからです。演奏力だけでは決まりません。
実際にチェックされやすいのは、次のような点です。
事務所が合否で何を見ているかは音楽事務所は何を見て合否を決めるのかで深掘りしています。面談では、こちらからも質問しましょう。「所属したら、うちに何を提供してもらえますか」と聞いて、答えが具体的な相手ほど信頼できます。
「所属後、最初の3か月で一緒に取り組むことは何ですか。うちの弱点はどこだと思いますか。」——この2問への答えで、相手が本気でこちらを見ているかが分かります。
なぜ:バンドは「複数人」だからこそ、契約を曖昧にすると解散や脱退のときに必ず揉めるからです。ここは一番丁寧に進めてください。
最低限、次を書面で確認します。
とくにバンド名と楽曲の帰属は、メンバー間でも先に決めておくべきです。加入前に全員で読み合わせ、疑問はその場で潰す。契約書で確認すべき条項は音楽の契約書で必ず確認すべき条項リストとマネジメント契約とはにまとめました。
お金の話は気まずくて後回しにされがちですが、ここを飛ばすと必ず後で困ります。ざっくりの構造を押さえましょう。
| 収入源 | 誰が関わる | ポイント |
|---|---|---|
| ライブ・物販 | バンド+事務所 | マネジメント料の割合を確認 |
| 音源の配信(原盤) | 原盤を持つ側 | 誰が制作費を出したかで変わる |
| 著作権(作詞作曲) | 作った本人 | 基本は作った人に残る |
| タイアップ・起用 | 事務所が交渉 | 取り分と条件を書面で |
そして、バンド内の分配ルール(作曲者と演奏メンバーの取り分など)は、事務所との契約とは別に、メンバー間で先に決めておくのが鉄則です。印税の仕組みは音楽の印税の仕組み、費用の全体像は音楽事務所の費用で確認できます。
「事務所に入る」と一口に言っても、規模や形で活動はかなり変わります。無所属のまま伸びるバンドも今は珍しくありません。
| 大手・メジャー系 | インディーズ・小規模 | 無所属 | |
|---|---|---|---|
| 自由度 | 会社主導になりやすい | 相談しながら決めやすい | 全部自分たち |
| 資金・体制 | 大きい | 身の丈で組む | 自前 |
| スピード感 | 組織で動くぶん慎重 | 小回りが利く | 最速だが全部背負う |
| 向く段階 | 実績があり展開したい | これから伸ばしたい | 自走できる |
違いの詳細はインディーズとメジャーの違い、規模の選び方は大手と中小の違いで。動員が少ないうちは、伴走してくれる小さな音楽事務所のメリットが効くことが多いです。
地方在住の4人組バンド(仮名・平均24歳)を例にします。月1〜2本のライブで動員は20〜30人、配信の最高再生は6万回。「そろそろ事務所を」と話し始めたものの、全員が本業を持ち、交渉や告知に手が回らないのが悩みでした。
まず4人でSTEP1を実行。代表曲2曲をサブスクに出し、ライブ映像を1本、活動をまとめた1枚を用意しました。次に、いきなり大手を狙わず、伴走型の事務所へ公式窓口から相談。面談で「解散したらバンド名と既存曲はどうなるか」まで書面で確認し、著作権はメンバーに残す形で契約を整えました。
所属後の変化は、数字より体制でした。物販とブッキングの一部を任せられ、ドラムの本業が忙しい月もライブを止めずに済んだ。SNSの届け方を一緒に設計し、半年で動員は50人前後、配信の最高再生は14万回に。何より「4人で抱え込まなくてよくなった」ことが、バンドを続けやすくしました。
A. まず音源を1〜2曲、SNSに置ける形で完成させ、活動が伝わるページ(配信リンクやライブ映像)を1枚にまとめます。その上でオーディションへの応募や、事務所の公式窓口からのアプローチを行うのが基本の流れです。いきなり大手を狙うより、伴走してくれる規模から相談するほうが現実的です。
A. バンド名義で活動する場合、原則メンバー全員が契約に関わります。誰が何の権利を持つか、脱退や解散のときにバンド名や楽曲がどうなるかを、加入前に全員で確認しておくことが大切です。ここを曖昧にすると、後のトラブルの原因になります。
A. 収益の一部をマネジメント料として事務所に、原盤や著作権の取り分は契約に応じて分けます。バンド内での分配ルール(作曲者と演奏者の取り分など)は、事務所とは別にメンバー間で先に決めておくと揉めません。契約書に取り分と支払い時期が数字で書いてあるかを必ず確認しましょう。
A. できます。動員や再生数が少ない段階では、大手より、これから伸ばす前提で伴走してくれる小さな事務所のほうが合うことが多いです。スタールートも、これから育てていくバンドの相談を全国どこからでもオンラインで受けています。
A. できます。今はSNSと配信が活動の中心で、住む場所は大きなハンデになりません。スタールートは全国どこからでもオンラインで所属・伴走しているため、地方を拠点にしたまま活動を広げられます。
STAR ROUTE MUSIC AGENCY
スタールートは、全国どこからでもオンラインで所属・伴走する音楽事務所です。動員が少ないバンドでも、これからのバンドでも、まずは音源とライブの見せ方づくりから、契約やお金の考え方、SNSでの届け方、活動の学び(アカデミー)まで一緒に組みます。契約は「解散・脱退のときどうなるか」まで丁寧に。相談は何度でも無料。メンバー全員で来ても、代表の方だけでも大丈夫です。まずは今の状況を話しに来てください。