投稿しても、誰も見ていない。再生数は二桁のまま。SNSを開けば、同じ頃に始めた誰かがきらきらしている。そんな夜、スマホを伏せて「もう、いいかな」とつぶやいたことがあるなら——この記事は、あなたに向けて書きました。答えを押しつけるつもりはありません。ただ、諦めるかどうかを決める前に、ひとつだけ聞いてほしい話があります。
音楽をやめたくなる夜には、決まって静けさがあります。昼間の忙しさが終わって、部屋が急に広く感じて、天井を見上げながら「自分は何をやっているんだろう」と思う。あの感覚を、私たちは知っています。
先に伝えたいことがあります。今この記事を、検索して、ここまで読んでいる。その事実だけで、あなたはまだ音楽を手放していません。本当に諦めた人は、諦め方を調べたりしません。「諦めようかな」の裏側には、いつも「でも、本当は続けたい」がくっついています。その気持ちを、まず責めないであげてください。
ここで、ある人の話をさせてください。みおりさん(仮名・24歳)は、弾き語りのシンガーでした。会社帰りの電車でメロディを口ずさみ、休日に部屋で録音して、週末にスマホから動画を投稿する。そんな生活を、一年半続けていました。
けれど、数字は動きませんでした。フォロワーは211人。新曲を出しても再生は40回、いいねは6つ。そのうち3つは、地元の友達でした。同じ月に始めた別の子が、たった一本のショート動画で1万回再生されているのを見たとき、みおりさんは自分の部屋の机の下にうずくまって、声を殺して泣いたそうです。
「私の歌には、価値がないんだって思いました。誰も聴いてくれないものを、なんで作り続けてるんだろうって。もう、やめようって、本気で思ったんです」
この話を、才能がある人の美談として読まないでください。みおりさんは特別に上手かったわけでも、恵まれていたわけでもありません。ただ、あなたと同じように、音楽が好きで、そして苦しかった。それだけの、ふつうの人です。
数字が伸びないとき、人はまず自分の才能を疑います。「私には才能がないんだ」と。でも、その言葉には落とし穴があります。才能という言葉は、あまりにも便利に、あらゆる不安をまとめて片づけてしまうからです。
本当は、才能が足りないのではなく、「届け方をまだ知らないだけ」ということが、驚くほど多いのです。良い曲を作る力と、その曲を必要な人に届ける力は、まったく別の技術です。片方が0点でも、もう片方が100点になることはある。みおりさんの歌は、悪くありませんでした。ただ、届いていなかった。それだけでした。
「自分には才能がない」と落ち込む夜が続くなら、その気持ちだけを扱った「自分には才能がない」と落ち込むあなたへも、いつか読んでみてください。才能という言葉に、必要以上に苦しめられなくて済むように書いています。
もうひとつ、知っておいてほしいことがあります。今は、そもそも数字が伸びにくい時代だということです。
サブスクには毎日、膨大な数の新曲が追加されます。TikTokやリールのタイムラインは、才能あふれる人たちで埋め尽くされています。そんな中で、始めたばかりのあなたの投稿が最初から伸びるほうが、むしろ珍しい。伸びないのは、あなたの価値が低いからではなく、単に発見される仕組みにまだ乗れていないからです。
一方で、この時代には希望もあります。tuki.さんやimaseさんのように、事務所の大きな後ろ盾がなくても、ネットから広がっていった人たちが現実にいます。彼らも、最初から1万回再生だったわけではありません。誰にも見られない時期を、静かにくぐり抜けた先に、あの景色があります。この「ネット発で広がる仕組み」についてはSNSから売れたアーティストの共通点で具体的に触れています。
| あなたが感じていること | 実際に起きていること |
|---|---|
| 私の曲に価値がない | 曲がまだ「発見される場所」に届いていない |
| 才能がないから伸びない | 作る力はある。届け方の技術がまだこれから |
| みんなは簡単に伸びている | 伸びている人も、見えない下積みを通っている |
| もう手遅れだ | 始めた年齢も期間も、今はハンデになりにくい |
みおりさんの話に戻ります。あの夜、彼女は本当にやめようとしました。でも、下書きに残っていた「投稿しそびれた歌」を、消す前にもう一度だけ聴いて、なぜか「これだけは出しておこう」と思ったそうです。深夜の、なんの計算もない一本でした。
それが、伸びました。爆発的にではありません。再生は800回。でも、これまでの40回とは桁が違いました。コメントには、こう書かれていました。
「歌詞の"帰り道の信号"のところ、涙が出ました。私のことかと思った。どうかやめないでください」
みおりさんは、その一件がきっかけで、投稿の何を変えたのかを振り返りました。伸びた一本は、演奏の全部を見せるのではなく、いちばん刺さる15秒だけを切り取っていた。偶然でしたが、それが「届け方」の入口でした。そこから彼女は、少しずつ発信のやり方を学び直しました。半年後、フォロワーは211人から1,900人になっていました。数としては地味かもしれません。けれど彼女にとっては、机の下から立ち上がるのに、十分な数字でした。
大事なのは、爆発した一本ではありません。その一本の前に、49本の「伸びなかった投稿」があったという事実です。49本を出し続けた人にだけ、50本目は訪れます。伸びない時期は、才能がない証拠ではなく、50本目に近づいている途中経過なのです。
もし今夜、本気で諦めようとしているなら。決める前に、この5つだけ、自分に問いかけてみてください。全部にすぐ答えられなくて構いません。
他人と比べて苦しくなる癖が抜けないなら、他人と比べてしまう問題もあわせて読んでみてください。SNS時代に心を守る、具体的な考え方をまとめています。
ここまで「諦めないで」という前提で書いてきましたが、最後に正直なことを言います。やめるのも、休むのも、あなたの自由です。音楽をやめることは、負けでも、逃げでもありません。
むしろ、いったん距離を置いたことで、また戻ってこられる人もたくさんいます。離れている間に、自分にとって音楽が何だったのかが、はっきり見えてくることもある。もし今、心も体も限界なら、無理に続ける必要はありません。休むという選択の話は「音楽をやめたい」と思ったときに確かめる5つのことでも丁寧に扱っています。一度離れた人が戻る勇気については一度離れた音楽に、もう一度戻る勇気を。
ただ、これだけは覚えておいてください。あなたの中に、机の下で泣いてでも手放せなかった何かがあるなら。それは、そう簡単に消えるものではありません。今日やめても、五年後にまた口ずさんでいる自分がいるかもしれない。そのときは、また始めればいい。音楽は、逃げません。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。私たちスタールートは、こういう夜を過ごしている人に、いちばん会いたいと思っています。数字が伸びなくて、才能を疑って、それでも音楽が好きな人に。
私たちができるのは、魔法をかけることではありません。ただ、あなたが一人で抱えている「作る・届ける・続ける」を、一緒に分けて持つことはできます。届け方が分からないなら教えられるし、投稿を丸ごと任せたいならその方法もあります。曲がなくても、ゼロから一緒に作れます。全国どこからでも、オンラインで。相談は何度でも無料で、無理に所属を勧めることもしません。
もし今夜、誰かに「その気持ち、分かるよ」と言ってほしいだけでも、いいのです。諦める前に、ほんの少しだけ、私たちに話を聞かせてくれませんか。
STAR ROUTE MUSIC AGENCY
スタールートは、伸び悩んでいる人、心が折れそうな人にこそ寄り添う音楽事務所です。届け方が分からない、一人で抱えて疲れた——そんな今の状態のまま、話しに来てください。SNS運用代行も、楽曲制作も、学びの場もありますが、まずは無料でただ話すだけでも大丈夫。全国どこからでもオンラインで、あなたの隣にいます。