好きな曲を歌ってサブスクに出したい。でも「これって勝手に配信していいの?」と手が止まっていませんか。カバー曲の配信は、正しい手続きを踏めば、個人でもきちんと行えます。ただし、YouTubeに歌ってみたを上げるのとは、必要な許可の中身が少し違います。この記事では、専門用語をなるべくかみ砕いて、何の許可がいるのか・どう配信するのかを順番に整理します。むずかしい話は表にまとめたので、依頼前の予習にどうぞ。
ここが分かれば、カバー配信の8割は理解できます。音楽には、種類の違う権利が2つあります。まず、この違いを押さえましょう。
| 権利の種類 | 守っているもの | 持っている人 |
|---|---|---|
| 著作権(作詞・作曲) | 歌詞とメロディそのもの | 作詞家・作曲家(多くは管理団体が管理) |
| 原盤権(録音) | 実際に録音された「その音源」 | レコード会社などの制作者 |
たとえば、あるヒット曲を思い浮かべてください。「歌詞とメロディ」を守るのが著作権。「アーティスト本人が歌って録音した、あの音源そのもの」を守るのが原盤権です。カバーというのは、メロディと歌詞(=著作権のあるもの)を借りて、録音(=原盤)は自分で新しく作る行為だ、とイメージしてください。この整理は音楽の印税の仕組みともつながります。
結論から言うと、カバー配信で自分が向き合うのは著作権のほうです。そして、その手続きは思うほど怖くありません。日本の多くのヒット曲は、著作権の管理団体(JASRACやNexToneなど)に管理を任されています。この場合、あとで説明する配信代行サービスを通せば、必要な手続きをまとめて処理してくれます。
一方、原盤(録音)は、自分で新しく作るのが大原則です。原曲の音源をそのまま使うことはできません。カラオケ音源も、他人が作ったものを勝手に使うのはNG。伴奏(オケ)も、自分で用意するか、使用が許可されたものを選ぶ必要があります。ここを勘違いすると、配信を止められることもあるので注意してください。
まとめると、カバー配信でやるべきは次の2つです。ひとつは、著作権の手続き(配信代行が代行してくれる)。もうひとつは、自分の演奏・歌・伴奏で新しく録音すること。録音の環境づくりは宅録のやり方も参考になります。
実際の進め方を、順番に見ていきます。個人でも、次の流れで配信できます。
その曲の著作権が管理団体で管理されているか、配信代行が対応しているかを確認します。管理されていない曲や、権利者が個別管理している曲は扱えないことがあります。
歌も伴奏も、自分で用意した音で新しく録音します。原曲の音源やカラオケ音源をそのまま使わないこと。ここがカバーの土台です。
個人がサブスクへ配信するには、配信代行(ディストリビューター)を使います。その多くが、カバー曲用の申請フォームを持っています。サービス選びは音楽ディストリビューション比較で解説しています。
「これはカバーです」と申告し、原曲名・作者などの情報を登録します。ここで著作権の手続きが処理されます。
審査に数日〜数週間かかることがあります。無事に通れば、SpotifyやApple Musicなどに並びます。配信全体の流れは自分の曲をサブスク配信する方法と共通です。
知らずにやりがちで、トラブルにつながる行為をまとめます。ここだけは避けてください。
手続きの話が続いたので、最後に前向きな話を。カバーは、まだファンが少ない時期の強い味方になります。理由はシンプルで、すでにみんなが知っている曲は、検索でも「おすすめ」でも見つけてもらいやすいからです。オリジナルだけだと、まず「知られる」の壁が高い。そこにカバーを挟むと、既存曲のファンがあなたの歌声に出会うきっかけになります。
特に、TikTokやReels、YouTube Shortsで話題の曲をいち早くカバーすると、その波に乗って見つけてもらえることがあります。tuki.さんやimaseさんの世代のように、ネット発で広がる流れが当たり前になった今、カバーは低コストで試せる「発見の入口」です。ショート動画での見せ方はカバー動画で伸ばすにまとめました。
おすすめの進め方は、カバーで人を集めながら、少しずつオリジナルへ橋を渡していくこと。カバーで「この人の歌声が好き」と思ってもらえたら、その人はあなたのオリジナルも聴いてくれます。手続きは丁寧に、届け方は大胆に。この両輪で、カバーはあなたの活動を前に進めてくれます。
A. できません。カバーで配信できるのは、自分で歌い直し・演奏し直して新しく録音した音源だけです。原曲の音源(原盤)をそのまま使うには、その録音の権利を持つレコード会社などの許可が別途必要で、通常は認められません。伴奏も自分で用意した音源を使いましょう。
A. 多くの日本のヒット曲は、著作権を管理団体が管理していて、配信代行を通して手続きすれば配信できます。ただし管理されていない曲や、権利者が個別に管理している曲は扱えないことがあります。配信代行の対応リストで、その曲がカバー配信できるかを事前に確認してください。
A. 勝手な改変はできません。歌詞を変える、メロディを大きく変える、別言語に訳すといった改変は、作者の権利にかかわるため、原則として権利者の許可が必要です。カバーはあくまで原曲を尊重した形で歌い直すのが基本と考えてください。
STAR ROUTE MUSIC AGENCY
「この曲は配信していいの?」「録音や伴奏はどうすれば?」——カバー配信は、少し調べるだけで不安が減ります。スタールートは、配信の手続きから、録音、ショート動画での見せ方、そしてカバーからオリジナルへの橋渡しまで、あなたの活動全体を全国どこからでもオンラインで伴走する音楽事務所です。オリジナルを作りたくなったらゼロから一緒に作れます。相談は何度でも無料。未経験でも、これからでも歓迎です。