スタジオの帰り道、ひとり。ライブを見に行っても、終わったあとに話す相手がいない。SNSに曲を上げても、反応がないと、静かな部屋がいつもより広く感じる。「みんな、バンド仲間とか、一緒にやる人がいるのに」。この記事は、そんな孤独をかかえて音楽を続けているあなたへの、手紙のようなものです。実際にいただくような相談に、ひとつずつ、正直に答えていきます。
「孤独だなんて、甘えてるのかも」。そう思ってこのページを閉じようとしたなら、少しだけ待ってください。音楽をやっていて感じる孤独は、甘えではありません。むしろ、あなたが本気で打ち込んでいる証拠です。
まわりの友達は、休みの日に遊びに出かける。でもあなたは、部屋にこもって曲を作る。その熱量の差が、少しずつ「話が合わない」という感覚を生みます。孤独は、あなたが人よりも深く、一つのことに向き合っているときに生まれる感情なんです。
本気になるほど、まわりとの温度差は広がる。孤独は、本気の副作用のようなもの。
だから、まず自分を責めないでください。そのうえで、この孤独とどう付き合い、どうつながりを育てていくか。実際の相談に答えるかたちで、一緒に考えていきます。
「地元に音楽をやってる人がいなくて、話せる相手がいません。ライブの話も、機材の話も、誰にも通じなくて、さみしいです」。——とても、よく届く声です。
まず伝えたいのは、物理的に近くにいる必要は、もうないということです。ひと昔前なら、仲間を作るには近所のスタジオやライブハウスに通うしかありませんでした。でも今は、画面の向こうに、あなたと同じ夜をすごしている人が必ずいます。
同じジャンルの発信をしている人のコメント欄に、感想をひとつ残してみる。オンラインのコミュニティに、そっと入ってみる。それだけで、「話が通じる人」との距離は一気に縮まります。地方だから不利、ということはありません。むしろオンライン中心の今は、住んでいる場所の差が小さくなりました。この点は地方在住でも音楽で売れるでも詳しく書いています。
「勇気を出して投稿したのに、いいねが2つ。誰にも届いてない気がして、発信するたびに孤独が深まります」。——この気持ち、痛いほど分かります。反応がない発信は、暗い部屋で独り言を言っているような気持ちになりますよね。
ここで知っておいてほしいのは、今は「見つけてもらう」までに時間がかかる構造だということです。SNSは、フォロワーが少ないうちは表示される回数もかぎられます。反応が少ないのは、あなたの音楽の価値ではなく、まだ「届く仕組み」が育っていないだけです。
反応がなくてもへこまずに続ける工夫は、反応がなくてもへこまない発信の続け方にまとめました。フォロワーゼロから最初の10人をつくる具体策はフォロワー0から最初の10人を増やす方法を見てください。「一人で発信を続けるのがもう限界」という人には、投稿そのものを丸ごと任せるSNS運用代行という選択肢もあります。
「届いていない」のではなく、「まだ届く途中」。静かな時期は、ゼロではなく、準備の時間。
「そもそも人と話すのが苦手で、コミュニティに入っても馴染めません。仲間がほしいのに、自分から動けないんです」。——これも、本当に多い悩みです。そして、大丈夫だと言いたい。
音楽のつながりは、飲み会で仲良くなるタイプの友達づくりとは、少しちがいます。作品を通じてつながれるのが、この世界のいいところです。無理に大人数の輪に入らなくても、あなたの曲に心を動かされた人が、向こうから声をかけてくれることがあります。
顔を出すのも、たくさん喋るのも、苦手でいい。顔出しなしで発信を続ける方法は顔出ししたくない人のSNS発信のやり方に書いています。まずは、感想をくれた一人に、ていねいに返事をする。そこから始まる細いつながりのほうが、じつは長く続きます。
「孤独」とひとことで言っても、中身をよく見ると2つに分かれます。この2つは、対処法がまったくちがいます。ごちゃまぜにすると、苦しさが増えてしまうので、分けてみましょう。
| つながりの孤独 | 理解の孤独 | |
|---|---|---|
| 正体 | 一緒にやる人・話す人がいない | まわりに本気を分かってもらえない |
| 感じる場面 | ライブ後、帰り道、一人の作業 | 「まだやってるの?」と言われたとき |
| 効く対処 | オンラインで同志を1人見つける | 分かってくれる人を1人持つ |
おもしろいのは、どちらも「1人」でいい、ということです。100人の友達は要りません。本当に分かってくれる人が、たった1人いるだけで、孤独の重さは驚くほど変わります。周囲に反対されて理解の孤独を感じている人は、周りに反対されても音楽を続けたい人へもあわせて読んでみてください。
「仲間を作ろう」と大きく構えると、動けなくなります。極小のステップに分けます。1週間に1つ、指先が動けば十分です。
応援してくれる最初の人を育てる考え方は、最初の100人のファンの作り方やコアファンの育て方にも通じます。仲間もファンも、始まりは「一人と、ていねいに」です。
悠真さん(仮名・22歳)は、地方の街でひとり、DTMで曲を作っていました。まわりに音楽をやる友達はゼロ。作った曲を聴かせる相手もいなくて、完成しても、誰も「いいね」と言ってくれない。それが、いちばんこたえたそうです。
ある日、悠真さんは、同じような宅録の音を出している人の投稿に、勇気を出してコメントを送りました。「このコード進行、すごく好きです」。たった一行。すると、返事が来ました。そこから、DMで曲の話をするようになり、お互いの作りかけを聴かせ合う関係が、少しずつ育っていきました。
「初めて、自分の曲を『分かる』って言ってくれる人ができた。それだけで、部屋の空気が変わった気がした」
半年後、悠真さんはオンラインで知り合った数人と、一緒に一曲を作りました。会ったことは、まだ一度もありません。それでも、彼らは立派な「仲間」でした。フォロワーは、その頃には90人から640人に増えていました。でも悠真さんが本当にうれしかったのは、数字ではなく、孤独だった部屋に、話し相手ができたことだったと言います。
あなたの部屋も、今は静かかもしれません。でも、コメントを一つ送るだけで、その静けさは変わりはじめます。泣きたい夜のための処方箋も、そばに置いておいてください。
A. 続けられます。今はSNSや配信を通じて、仲間や聴き手と直接つながれる時代です。近くに一緒にやる人がいなくても、オンラインで感想をくれる人や、同じように一人で活動している人とつながることができます。孤独は続けられない理由にはなりません。
A. できます。無理に大人数の輪に入る必要はありません。作品を通して発信を続けていると、あなたの音楽に共感した人が自然に集まってきます。まずは一人、感想をくれた人に丁寧に返事をするところから、細く長いつながりが育っていきます。
A. いいえ、関係ありません。孤独は、あなたが本気で音楽に打ち込んでいて、周りとの熱量に差があるときに生まれる感情です。むしろ本気の証拠であり、才能の有無とは切り離して考えて大丈夫です。
A. 同じジャンルのSNS発信者にコメントを送る、オンラインのコミュニティやDiscordに参加する、ライブや対バンで顔を合わせる、といった方法があります。まずは一人と丁寧につながることを目標にすると、無理なく広がっていきます。
STAR ROUTE MUSIC AGENCY
スタールートは、全国どこからでもオンラインで、日々LINEで伴走する音楽事務所です。まわりに音楽の話が通じる人がいなくても大丈夫。あなたの曲を聴き、悩みを聞き、次の一歩を一緒に考える相手になります。相談は何度でも無料。未経験でも、一人で活動してきた人でも、いつでも歓迎します。