「DTMを始めたら、MIDIキーボードって買わなきゃダメなの?」——DTM初心者から本当によく届く質問です。結論から言うと、絶対に必要なわけではありません。でも、あると作業がぐっと軽くなる場面があります。この記事では、寄せられた生の疑問に一つずつ答えるかたちで、必要かどうかの判断、鍵数の選び方、弾けない人の使い方まで、順番に解きほぐしていきます。
いちばん最初のつまずきがここです。「キーボード」と名前が付くので、押せば音が鳴る楽器だと思っている人が多いのですが、実は違います。
MIDIキーボードは、単体では音が出ません。鍵盤を押した「どの音を・どれくらいの強さで・いつ押したか」という情報を、パソコンやスマホに送るための入力装置です。送られた情報を受け取って、実際に音を鳴らすのはパソコン側のソフト(DAW)の中にある音源です。つまり、MIDIキーボードは「音を鳴らす道具」ではなく「作曲ソフトを操作するための特別なコントローラー」だと考えると腹落ちします。
DAWって何?というところから知りたい方は、DTMの始め方で機材とソフトの全体像をまとめています。先にそちらを読むと、この記事の話がよりつながります。
ピアノを習ったことがない人ほど、ここで足が止まります。「弾けないのに鍵盤を買っても宝の持ち腐れでは?」と。気持ちはよく分かります。でも安心してください。
DTMには、鍵盤を弾かずに作曲する方法がちゃんとあります。画面上のピアノロールという格子に、マウスで音符をひとつずつ置いていく「打ち込み」です。この方法なら、鍵盤が1音も弾けなくても、頭の中のメロディを形にできます。実際、プロでもマウス打ち込み中心の人はたくさんいます。
ではMIDIキーボードは要らないのかというと、話はそう単純でもありません。次の作業では、鍵盤が1台あるだけで速さが段違いになります。
| やりたいこと | マウス打ち込み | MIDIキーボード |
|---|---|---|
| コードの響きを試す | 1音ずつ置く(遅い) | 指で同時に押す(速い) |
| メロディの当たりを探す | 置いて聴いての繰り返し | 鼻歌をそのまま探れる |
| 強弱の自然さ | 数値で調整 | 押す強さで自動的に入る |
| 初期費用 | 0円 | 1万円前後〜 |
「弾けないから」ではなく、「弾けないなりに、1本指で押して響きを確かめる」。それだけでも作曲のスピードは変わります。両手で演奏する必要は、まったくありません。
つまり答えはこうです。弾けなくても曲は作れる。でも、続ける気があるなら安い1台があると作業が楽になる。「今すぐ必須」ではなく「早めにあると得」という位置づけです。
MIDIキーボードには25鍵・49鍵・61鍵・88鍵などのサイズがあり、ここで迷う人がとても多いです。判断はシンプルで、「両手でピアノのように弾きたいか」だけで決めて大丈夫です。
| 鍵数 | 向いている人 | 置き場所 |
|---|---|---|
| 25鍵 | 打ち込み中心/コード確認だけ/机が狭い | ノートPCの横に置ける |
| 49鍵 | 両手で少し弾きたい/メロと伴奏を同時に | ある程度の机が必要 |
| 61鍵 | ピアノ経験があり両手でしっかり | 専用スペースが要る |
| 88鍵 | ピアノ曲を本格的に演奏する | 広いデスク必須 |
DTMを始めたばかりで迷っているなら、25鍵で十分です。コードを押して響きを確かめる、メロディの当たりを1本指で探す、という用途は25鍵で全部こなせます。省スペースで持ち運びもしやすく、最初の1台として失敗しにくいサイズです。ピアノを弾いてきた人だけ、両手が窮屈にならない49鍵以上を選べば十分です。
サイズ以外に見ておきたい点をチェックリストにしました。買う前にこれだけ確認すれば、届いてから「思ってたのと違う」を防げます。
「どこにお金をかけるか」で迷ったら、機材全体を買う順番から考えるのがおすすめです。機材を買う順番で、失敗しにくい投資の順序を整理しています。
「パソコンを持っていない。スマホやiPadだけでも使える?」という質問も増えています。答えは使えます。
USB-C接続やBluetooth対応の機種なら、変換アダプタをはさんでスマホやiPadの音楽アプリにつなげます。iPadのGarageBandやスマホの作曲アプリと組み合わせれば、鍵盤でコードやメロディを入力できます。カフェや移動中に思いついたフレーズを、その場で鍵盤から入れる、といった身軽な使い方も可能です。
スマホだけでどこまで作曲できるかは、スマホだけで作曲・DTMはどこまでできる?で具体的に掘り下げています。「まずはお金をかけずに始めたい」という人は、先にそちらを読んで、必要になったらMIDIキーボードを足す、という順番が無駄がありません。
買っても「つないでからどうするの?」で止まってしまう人がいます。最初の流れを、極小ステップに割って並べます。
コツは、1回で完璧に弾こうとしないことです。テンポを落として録り、あとから位置や長さを直せば十分きれいになります。むしろ「ラフに弾いて、あとで直す」を前提にすると、鍵盤が弾けない人でも一気に作れるようになります。実際の曲作りの流れは作曲のやり方にもまとめました。
まいさんは最初、マウス打ち込みだけで曲を作っていました。コードを1音ずつ置くのに時間がかかり、「これ、合ってる?」と響きが分からないまま作業が進み、1曲に3週間かかっていたそうです。1万円ちょっとの25鍵を買って、コードを指で押して確かめられるようになってから、1曲の完成が10日ほどに短縮。「弾けるようになったわけじゃなくて、響きを耳で確かめられるようになっただけ」と本人は言います。両手演奏は今もできませんが、それで十分だったわけです。
「今は予算がない」「まず続くか試したい」という人へ。買わずに始める道もあります。
まず無料の範囲で試して、「打ち込みが遅くてもどかしい」と感じたら、そのときが買いどきです。無料で始めるDTMと組み合わせれば、0円で作曲のスタートラインに立てます。順番としては、無料で1曲作る → 手応えが出る → 快適さのためにMIDIキーボードを足す、が理想です。
A. 必ずしも必要ではありません。マウスで音符を打ち込む方法でも曲は作れます。ただしコードやメロディを試すとき、鍵盤を1本指で押すだけでも作業が速くなるため、DTMを続ける気があるなら安い機種を1台持っておくと快適です。弾けなくても十分に役立ちます。
A. 机が狭い人や打ち込み中心なら25鍵、両手で少し弾きたいなら49鍵が目安です。25鍵はコード確認や単音入力に十分で、持ち運びもしやすい入門の定番です。ピアノのように両手で演奏したい場合だけ61鍵以上を検討します。
A. 使えます。USB-C接続やBluetooth対応の機種なら、変換アダプタ経由でスマホやiPadの音楽アプリにつなげます。GarageBandなどのアプリと組み合わせれば、外でもコードやメロディを鍵盤で入力できます。購入前に接続端子と対応を確認しましょう。
A. MIDIキーボード単体では音は出ません。鍵盤を押した情報をパソコンやスマホに送り、DAWの音源を鳴らす仕組みです。単体で音が出るのは電子ピアノやシンセサイザーで、そちらとは役割が違います。音を出すにはDAWとつなぐ必要があります。
A. 入門なら1万円前後の25鍵で十分です。まずは弾く楽しさと打ち込みの速さを体感し、物足りなくなってから鍵数やタッチにこだわった機種へ買い替えるのが失敗しない順番です。最初から高額な機種を選ぶ必要はありません。
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スタールートは、DTMや宅録の「何を買えばいい?」から「どう1曲に仕上げる?」まで、全国どこからでもオンラインで伴走する音楽事務所です。楽曲制作のサポートも、SNSでの届け方の学びも用意しています。機材選びの相談だけでも大歓迎。まずは今のつまずきを、そのまま話しに来てください。相談は何度でも無料です。