HOMECOLUMN / 楽曲制作

楽曲制作2025.11.19

自分らしい音楽が分からない|世界観の見つけ方

「上手く歌えるし、曲も作れる。でも、これが“自分らしい”のかと聞かれると、分からない」。そう言って手が止まる人は、あなただけではありません。むしろ、そこで立ち止まれる人ほど、あとで強い軸を持てます。この記事では、同じ悩みにぶつかった一人の物語をたどりながら、自分らしい音楽の世界観をどう見つけるかを、一緒に考えていきます。

「個性がない」と悩んだ、みおの話

みお(仮名)は、弾き語りを始めて1年ほどの人でした。歌はまっすぐで、コードも押さえられる。でも、投稿するたびに心のどこかがざわつくと言います。「上手い人のカバーをそれっぽく真似しているだけで、自分の色がない気がする」。

彼女がやっていたことは、こうでした。今バズっている曲をカバーして出す。伸びている人の見せ方をまねる。おすすめに流れてくる音に寄せる。どれも間違いではありません。でも、どれだけやっても手応えが増えない。フォロワーは少し増えても、心は満たされない。「わたしは何を歌いたいんだっけ」——その問いに、答えられませんでした。

これは、才能の問題ではありません。順番の問題です。世の中の流行に自分を合わせにいくと、合わせるほど自分が薄まっていく。みおが感じていた「個性がない」の正体は、まだ自分の軸を言葉にしていなかっただけでした。

POINT「個性がない」と感じるのは、才能がないからではなく、自分の軸をまだ言葉にできていないから。流行に合わせるほど自分は薄まる。まず内側を掘るのが先です。

世界観は「探す」より「思い出す」

ここで、みおの考え方が少し変わります。きっかけは、ある人からの一言でした。「世界観って、これから作るものじゃなくて、もう自分の中にあるものを見つける作業だよ」。

言われてみれば、彼女には昔から好きだった音があり、涙が出た曲があり、何度も聴いた夜がありました。カラオケでいつも選ぶ曲、部屋で流していたプレイリスト、初めてライブで泣いた瞬間。それらはぜんぶ「みおという人が、何に心を動かされるか」の証拠です。世界観は、遠くに探しにいくものではなく、過去の自分の記憶の中に、もう転がっている

この見方は、AIで簡単に曲が作れる今こそ効いてきます。伴奏やメロディはツールでいくらでも量産できる時代です。だからこそ差がつくのは、「その曲に、あなたのどんな記憶や感情が乗っているか」。技術ではなく、内側から出てくるものが個性になります。ここを飛ばすと、いくら曲を作っても「上手いけど誰の曲か分からない」に留まってしまいます。

自分の音を言葉にする5つの問い

みおが実際にノートに書き出したのが、次の5つの問いです。難しく考えず、思いついた言葉をそのまま書くのがコツです。

  1. 何度でも聴ける曲は? それの「どこ」が好き?/メロディか、歌詞か、声か、間か。「どこ」まで掘ると、あなたの好みの輪郭が出ます。
  2. music で泣いた瞬間はいつ? なぜ泣いた?/感情が動いた記憶は、あなたが人に届けたいものの手がかりです。
  3. あなたの曲を、誰に、いつ聴いてほしい?/「夜、一人で頑張っている人に」「朝の通学路で」。時と相手が決まると、音の温度が決まります。
  4. 「これは絶対にやりたくない」表現は?/嫌いなものは、好きなものと同じくらい軸を教えてくれます。
  5. 10年前の自分に、今どんな曲を聴かせたい?/過去の痛みや救いは、あなたにしか書けないテーマになります。

ポイントは、ジャンル名で答えないこと。「シティポップ」ではなく「終電を逃した夜の、少しだけ楽しい気分」のように、情景や感情で書くと、あなただけの言葉になります。書き出した言葉は、そのままプロフィールや投稿にも生きてきます。名前や見せ方に迷ったらアーティストプロフィールの書き方セルフブランディングもあわせて。

みおが見つけた、たった一行の軸

5つの問いを書き終えたみおのノートには、バラバラな言葉が並んでいました。「夜」「終わったあとの静けさ」「強がりたくない」「誰かの隣にいたい」。それを眺めているうちに、彼女は一行にまとめました。

「がんばった夜の、力を抜ける音楽」

たったこれだけ。でも、この一行ができてから、みおの活動は静かに変わり始めました。カバーする曲も、その世界観に合うものだけを選ぶようになった。投稿の言葉も、伴奏の音色も、迷ったときは「がんばった夜に合うか」で決められる。あれもこれもと手を広げていた頃より、作るのがずっと楽になったと言います。軸は、あなたを縛るものではなく、迷いを減らしてくれる道しるべです。

ここで大事なのは、この一行が「完成」ではないということ。活動しながら少しずつ育っていくものです。最初は仮でいい。むしろオリジナル曲を1曲作ってみると、机の上で考えるより早く「自分らしさ」の輪郭が見えてきます。

軸ができると、届き方が変わる

軸を言葉にすると、いいことが連鎖して起きます。まず、投稿がぶれなくなる。世界観がそろったアカウントは、たまたま流れてきた人に「この人、こういう人なんだ」と一瞬で伝わります。次に、濃いファンがつきやすくなる。「がんばった夜の音楽」に救われた人は、みおを"自分のための存在"として応援してくれます。フォロワー数より、この濃さのほうが活動を支えます。

とはいえ、自分の軸を自分だけで見つけるのは、案外むずかしいものです。近すぎて見えない。みおも、最初のきっかけは「他人からの一言」でした。自分では当たり前すぎて気づかない魅力を、外から言葉にしてもらう——これが、世界観づくりでいちばんの近道だったりします。自分らしさに悩んだときは、他人と比べて苦しくなる話も根っこは同じなので、他人と比べてしまう問題もどうぞ。

STAR ROUTE MUSIC AGENCY

あなたの「まだ言葉になっていない魅力」を、一緒に掘り起こします。

自分らしさは、一人で机に向かうより、話しながらのほうが早く見つかることがあります。スタールートは、あなたの好きなものや過去の記憶から世界観の軸を一緒に言葉にし、楽曲制作でその音を形にし、アカデミーで届け方まで伴走する音楽事務所です。全国どこからでも完全オンライン。まだ何も固まっていない段階でも、むしろその段階こそ歓迎です。相談は何度でも無料。「自分の音が分からない」を、そのまま話しに来てください。

※ 本記事は情報提供を目的としたものです。最新の内容・料金・キャンペーン等は無料相談時にご案内します。スタールートは全国どこからでもオンラインでご相談いただけます。

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